大学院で英語の教育法を研究しています!
北海道大学大学院
国際広報メディア・観光学院修士
函館市立的場(現巴)中学校出身
卒業2016年
山上 徹さん
大学院で英語の教育法を研究しています!
大学院での学びについて
応用言語学とは誰でも外国語は話せるようになるという学問です
現在、私は大学院で応用言語学を学んでいます。応用言語学とは言語 学で出てきた理論や研究の成果をもとに、言語と人間の言語行動を多面 的・多角的に探索する研究分野です。例えば親の転勤で海外に行って住 むことになった子供が、学校での勉強では無く人々との交流や行動の中 で現地の言葉を身につけていく過程を解析し、その内容を外国語習得の 教室での学習に応用できないかを研究しています。大抵の場合、自分の 国から他の言語を話す他国に行った人は時間的な個人差はあってもその 国の言葉をやがて理解し話せるようになります。つまり人間には母国語を 習得するのと同じように母国語以外の言語も習得する能力が備わっているわけです。
近年、応用言語学は、外国語教育とりわけ英語教育で活発に議論され ています。特に私は学習者の動機づけに強い興味を持って研究を進めてます。楽しさにつながることが言語習得への大きな要因になっていることが明らかになってきているので、そのきっかけと動機付けを英語学習に役 立てることをテーマに調査・研究し論文にまとめようとしています。自分の 研究に関連する先行研究の文献を読んだり、自分の研究状況を国際シンポジウムで発表したりと、大学院での学びは非常に能動的です。 応用言語学は、欧米で始められた学問であり、日本ではまだこれからの 学問ですが、ビジネスはもちろん観光の分野でも国際化が進み、海外か らの旅行者も増え、インターネットでも海外との交流が深まる中、英語教育の効果的レベルアップはますます重要ですので、とてもやりがいを感じています。
大学生の時に応用言語学を実体験!
応用言語学には大学1年次に英語教育法という授業で出会うことができました。担当の教授がちょうどカナダの大学での留学から戻って来られた方で、最新の応用言語学の知識を授業で聞くうちに、欧米では単に椅子に座っての一方的な授業ではなく、ディスカッションや物語やゲームを通してのアクティブで楽しい環境で他言語を学ぶ手法が科学的に確立されていることを知り興味をそそられました。以来、私は、この教授のファンになり、授業以外にも研究室に押しかけるようになりました。実は私は英語の先生になるために大学に進学していてもそれまで英語が不出来な学生でした。ですがこのことをきっかけに猛勉強に励み、2年次にはカナダビクトリア大学での研修に参加。現地の人々との素晴らしい交流に恵まれたことで、さらに英語が上達しました。私はそこでまさに環境的楽しさの動機付けが英語学習に効果的であることの実体験を得ることができたのでした。
その後、恵庭市教育委員会の要請に応じて、中学校での日本語支援ボランティアに参加し、ネパール人の女の子の日本語習得支援に2年間携わりました。言語習得のアプローチを学ぶとともに、彼女からも言語の壁を乗り越えることの切実さを実感し、応用言語学を大学院でさらに深く学ぶことにしました。
有斗高校のマーチングバンド部で練習に励んだ日々が、現在への原動力に!
有斗高校では、マーチングバンド部の一員として全国大会を目指して練習に励む毎日でした。最初は小学校からやっていた野球部に入ろうと思ったのですが、あまりのレベルの高さに入部をあきらめ、それなら全くやったことの無いことに挑戦してみようと入部したのがマーチングバンド部でした。担当楽器は生まれて初めて触れたパーカッション。猛練習の甲斐あって半年後には全国大会のステージに立てたのですから自分にとっては画期的なことでした。ところが、そのままパーカッションを極めようと思っていた矢先、交通事故に遭ってしまい手首を損傷。手術は成功したもののパーカッションは手首への負担が大きいため断念し、次はトランペットを一から覚えて再び全国大会に出場!おかげで高校3年間でそれまでやったことの無かった楽器を二つも演奏出来るようになりました。人間、本気でやれば何でもできるものだ!これが私が有斗高校で得た教訓でした。
北海道文教大学には、マーチングバンド部でお世話になっていた顧問の先生が英語教科の担当で、自分もああ言う先生になりたい!と思い、進路を相談したことで国際言語学科への推薦入学となりました。「また何かに一生懸命になってやるなら苦手な英語ができるようになってやろう!そして、英語が苦手な生徒に親身になれる先生になろう!」という思いもありました。結果的に、この先生の進路指導のおかげで、大学で英語教育の先生にも出会えて今の私がいるのですから、本当に良かったと思います。
有斗高校は、生徒一人ひとりが可能性に挑戦でき、先生も親身に生徒を伸ばしてくれる学校です。私も皆さんの可能性への挑戦に期待します。
有斗高校卒業後、高校英語教員免許取得を目指し北海道文教大学外国語学部国際言語学科で学び、公立高校の教員採用試験に合格。現在2年間の文部科学省からの特例勤務猶予期間を得て北海道大学大学院国際広報メディア・観光学院修士課程にて応用言語学を専攻中。
※2022年に取材した記事です。