研究テーマは『食品と免疫の相互関係』。新薬医療についての研究の道を目指す。
北海道大学大学院
生命医薬科学コース
函館市立的場中学校出身
卒業2011年
保田 元気
今年3月に北海道薬科大学薬科部薬学科を卒業して、4月からは北海道大学の大学院生になります。研究のテーマは『食品と免疫の相互関係』で、病気治療中の患者さんの免疫力低下を防ぐための新薬開発を食物との関連から研究します。薬学部では多くの人が、調剤薬局か病院の薬剤師を目指しますが、私は薬剤師資格も取得して、さらに新薬医療についての研究の道を進みます。現代の医療においては、病気になってしまってからの治療はもちろんのこと、病気にならないようにするための予防医学分野の重要性が増していますから、私は免疫の研究をすることで、健康を損なわれないようにするための的確なサプリメントを実証開発する研究をしたいと思っています。
今は真剣に薬学研究を目指す私ですが、薬科大学への進学を考えたのは、母の友人の薬剤師さんに会って、「薬剤師って専門性が高くてカッコ良い職業だな!」というくらいの気持ちからでした。北海道薬科大学には、有斗高校からの指定校推薦枠もあって進学しやすいというのもありました。マーチングバンド部員として、毎日休み無く、運動部さながらの厳しさの中で練習を重ねた高校3年間でしたので、「大学生になったら、少しのんびりしたいな」とも思っていたくらいでした。ところが、薬科大学は実際に入学してみるとそんな生やさしい気持ちで通用することろではありませんでした。やはり、人の命にかかわる医療人になるための学びの場です。医薬を理解するための学びの内容は専門性が高く、化学、微生物学、物理化学などは高校までの学びよりも深く難解ですし、単に座学で授業を聴いて教科書を読んで理解するだけではなく、実験でデータを取って実証していく実習もあります。これには、実験器具を的確に扱う器用さと、対象に何時間も向き合い、正確にデータを採取する体力と気力も必要なわけで、それはもう本当に知力と根気と努力と体力の世界なのです。その他に、医療人にとって大切な倫理学や法学、一般教養、そして海外の研究者の最新の研究論文を理解するための英語力も必要です。毎日、学食で朝食を捕るために8時に大学に行って、朝9時から夜10時まで、学校の中で授業を受けたり実験をしたり研究したりの日々。最初は、あの練習に明け暮れた有斗高校マーチングバンド部での3年間以上に大変な世界がこの世の中にあったのかと驚いたくらいです。
でも、なんとか乗り越えることができたのは、有斗高校で勉強とマーチングバンドの両方を頑張った3年間のおかげだったと思います。私は、中学校での経験が無いにもかかわらず、有斗高校マーチングバンドの演奏演技に素晴らしさとカッコ良さに魅せられて入部し、今まで一度も手にしたこともなかったメロフォンという楽器を担当し、クラブの仲間と一丸となって全国大会に出場し続けました。未知の世界に取り組む勇気と、すぐには出来ないことでも真剣に取り組めば、必ず納得の行く結果が得られるという有斗高校での経験を、薬大生として活かすだけだという思いで、まさに有斗魂を発揮してここまでやって来たと思います。
有斗高校には、勉学でもクラブ活動でも、いつも親身に見守り熱心に導いてくれる先生たちの伝統が息づいています。有斗高校を目指す皆さん、有斗高校で、まっすぐな気持ちで生きていく力を是非養って下さい。
※平成28年度にインタビューしたものです。