産業の根幹
製鐵物流で働く兄弟
日鉄物流君津株式会社
社員
七飯町立七飯中学校出身
卒業20162017年
佐藤 宇宙さん・優真さん
日鉄物流への入社は、どのように決めましたか?
佐藤宇宙さん(兄): 高校を卒業して進学せずに就職することは中学の時に決めていましたから、進路相談室には1年生の頃から通っていました。硬式野球部で真剣に野球に取り組んでいたので、実際、本腰を入れて就職先を探し始めたのは、2年生の2学期でした。そこである程度、就職先の方針を決めて、その後また3年生の引退まで野球に打ち込もうという感じでした。
最初は札幌での就職を考えていました。けれども働く環境や給料、将来性を考慮して長く勤められる企業を探すとなるとやはり本州だろうと思い決めたのが、現在、勤務している千葉県の日鉄物流君津株式会社です。
中学生の時までは、世の中にどんな会社があって、その会社がどんな仕事をするのか、全く知識が無いので、有斗高校の進路相談室の先生には、本当にお世話になりました。この会社の事を紹介してくれたのも進路相談室の先生からでした。
先生は、いろんな会社の業績や日本の産業界におけるその会社の重要性、そして働く環境について資料を揃えてくれていて、ものすごく丁寧に教えてくれるので、とても助かりました。実際、今、この会社で働いていて、仕事もやりがいを感じますし、社員寮も住み心地が良く、毎日快適に働いています。
佐藤優真さん(弟): 僕は兄の一学年下で兄と同じ会社に勤務する気は全くなかったのですが、進路指導の先生から、たくさんの企業を教えてもらった中に、この会社があって、世の中、建物も自動車も家電品も鉄がないと困った事になると気づいて就職先に決めました。やはり一番身近な兄も楽しそうに勤務しているから安心だなという思いもありました。
10トンから30トンの鉄材を運ぶ仕事です
宇宙さん: 私たちが勤務する事業所は、製鉄の国内生産1位でもある日本製鐵の千葉県君津工場の中にあって日本製鐵が生産する鉄材の物流を任されています。鉄材には建物で使われる鉄骨や鉄筋、電柱の電線などになる線材、上下水道の鋼管、車のボディになる鋼板、家電品の表面になる薄板などたくさんあります。それらの出来上がった鉄材を倉庫に集めて在庫を管理し、鉄材で製品をつくるメーカーに出荷するのが我々の仕事です。オペレーターといって鉄材を運ぶクレーンを操縦するのがおもな仕事です。
優真さん: 鉄材は10トンから30トンくらいの重さのものですから、運び込み、運び出し、積み上げ、積み下ろしのほとんどをクレーンで行います。それぞれの鉄材によって使用するクレーンが異なっていて、私は現在、線材や針金になる鉄材を運ぶクレーンの操縦を行なっています。
宇宙さん:私は車のボディになる鋼板の物流担当です。クレーンの操縦は、担当部署に配属になって上司から研修を受けながら習得します。早い人で1ヶ月、遅くても6ヶ月で習得しますが、安全を第一にする職場なので、それぞれの技能や性格に合わせて、しっかりと身につくまで教えてもらえますから、安心して勤務することができる環境です。
優真さん: 運ぶ物も大きいですしクレーンも巨大ですから、最初は、自分にこんな大きなクレーンが動かせるのかと思いましたが、教えてもらったとおりにすれば出来るようになるもので、仕事を身に付けていく達成感があります。上司も先輩も同輩も後輩もみんながお互いの安全のために気遣って働く環境なので自分もそのうちの一人なのだと思って仕事をしています。
宇宙さん: こういった労働環境はやはり、会社の長い歴史の中で培われたものだと思うので、やはり日鐵物流に入社して良かったと思います。
優真さん: 三交代制勤務なので慣れるまでは大変でしたが、休養がしっかり取れるローテーションでシフトが組まれているので、やはり安心で安全な労働環境だと思います。快適な働きやすい環境です
優真さん: 寮生活で食事も心配ありませんので、何も不自由はありません。
宇宙さん: ここ千葉県君津市はアクアラインで羽田空港にバスで30分で行けるので、函館に帰るのもとても便利です。
優真さん: 両親も何度かこちらに遊びに来てくれて、我々の寮に泊まれば宿泊費も浮くので母は東京都内観光を父はゴルフを楽しんでいます。
宇宙さん: 私は、マイカーでドライブに行くのが好きで箱根や草津温泉にも行きます。北海道と違ってそれぞれの場所に古い歴史があってどこも見応えがありま
す。本州は陸続きで車でどこにでも行けますし交通機関も発達してますから今後もいろんな所に行きたいです。やはり、こちらに来て世界が広がりました。
高校時代は硬式野球部、今も野球を続けています。
宇宙さん: 僕ら兄弟は、小学生のリトルリーグからずっと野球をやっていて、今も会社の野球クラブに兄弟二人で加入しています。
優真さん: 地域の社会人リーグでの野球ですが、みんな野球が根っから好きな人たちのチームなのでとても楽しいです。ほんと野球をやって来て良かったなと思います。
宇宙さん: うちは地域では優勝を争うくらいのけっこう強いチームなんです。
優真さん: 職場の他の部署の人とも交流が持てますし、高校や大学まで九州、関東、東北と全国のいろんな所で野球をやってきた人と野球の話をするのも楽しい
です。
宇宙さん: 有斗高校でも硬式野球部で甲子園を目指して野球をやっていて、残念ながらその目標は達成できませんでしたが、この会社を知って入社出来て、今も大好きな野球を続けられているのは幸せな事だと思います。
優真さん: 僕も将来は少年野球を指導する人にもなりたいので、これからも野球を続けていきます。
宇宙さん: リトルリーグの頃から有斗高校まで野球の監督やコーチの方々にお世話になって来て、礼儀の大切さとか今の社会人としての素地が培われ来たと思います。
優真さん: 有斗高校の硬式野球部時代は試合でベストな力を発揮するために日頃どのようにあるべきかを学ぶ事ができたと思います。それは、今、社会人として働く上でも役に立っていると思います。
宇宙さん: 有斗高校は男子校ならではの何事もやるべきことをしっかりやり抜くという気風があって、その姿勢が今も自分の生活に続いていると思います。だから、有斗高校のみんなはその事を大事にして頑張ってくれれば良いと思います。
優真さん: とにかく自分を信じてまっすぐな高校生活を謳歌してください。そうすれば将来もきっと見えてくる。有斗高校はそういう学校だと思います。
※2021年に取材した記事です。