父の職業を継ぐべく神職の道に
京都 八坂神社
神官
函館市立的場(現巴)中学校出身
卒業2014年
松崎 崇彦さん
父の職業を継ぐべく神職の道に
神職見習いとして、京都祇園の八坂神社に奉職して2年目になります。一般的には神職のことを神主と言いますが、正式には神職といいます。
私の父は、函館の乃木町にある乃木神社の神職なので、私にとってこの道に進むことはとても自然なことでした。乃木神社のたった一人の神職として朝から晩まで一生懸命に働いている父の背中をみて来て、地域の氏子さんたちために淡々と生きる姿に素晴らしさを感じてましたから、自分も受け継いでいきたいと小学生の頃から思っていました。
神職になるためには特定の大学や養成所で神道について学ぶ必要があります。私は有斗高校卒業後、父も卒業した三重県にある皇學館大学の文学部神学科に入学しました。全国の神社の中心とも言える伊勢神宮のすぐ近くにある大学ですから、その長い歴史を目の当たりにできる環境でしたし、そのうえ夏休みや冬休みには九州の太宰府天満宮や神戸西宮神社などでも研修させていただくことができたので、充実した学びの4年間を過ごすことができました。
多岐にわたる仕事の毎日、一つひとつの行いを疎かにしないように大切に
神社とい言うと皆さんはお正月の初詣や夏祭りや秋祭りでいくところという感じでしょうか?でも神職の仕事は、それ以外にも、お子様の七五三や結婚式やお葬式など人々の人生の節目になるイベントにも携わります。京都・八坂神社では近隣各町の氏子さんのための月次祭という祭事が、毎月、二回以上はあるので、なかなか忙しいものです。特に7月は全国的にも有名な祇園祭という大きなお祭りがありますので7月はその他の月以上に忙しいです。
仕事としては、祭儀係の職についてますので、祭儀の準備と祭儀に携わります。神饌といって神様にお供えする酒、米、果物、鯛や鯉といった海もしくは川の魚、水、塩を用意したり、祭儀中の祈祷を行うわけですが、やはり一つひとつの行いを疎かにしないように大切に執り行うには集中力と体力が必要で健康第一で日々過ごすことを心がけています。
京都・八坂神社は、大きな神社ですので、神職だけで全部で20人います。現在、私が所属する祭儀部は7名で、他には総務や会計といった神社全体の運営を行う部署もあります。将来はそちらの部署も経験して、ようやく一人前の神職になれるので長い道のりですが、淡々とお務めを果たして行きたいと思います。
高校時代は陸上競技部に所属、競歩5000m道南記録保持者
実は、有斗高校には陸上競技部に入るために進学ました。将来、神職を目指すことは決めていたので、高校の間だけは、小学校の頃から大好きだった陸上競技を、全国大会にも出場する実績のある有斗高校陸上競技部で思いっきりやりたいと思いました。種目は高校に入って始めた競歩でした。3年の時に5000mで道南地区の高校生新記録を出すこともできました。高校生活では日本史や世界史といった社会科系科目の勉強も好きでしたが、陸上競技部で記録を作るために競歩を頑張った経験が、一人前の神職を目指す今の自分にとって自信であり支えにもなっています。
※2021年に取材した記事です。